ミレーナは保険適用になる?嘘と言われる理由と自己申告で通らない本当の仕組みを医師が解説

「ミレーナって保険で入れられるの?」

「“自己申告で保険が通る”って本当?」

「避妊目的でも使えるの?」 ——そんな疑問を持つ方が年々増えています。

ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)は、過多月経や月経困難症など“治療目的”の場合のみ保険適用となる医療機器です。 一方で、避妊のみの目的では自費(自由診療)扱いとなるため、「自己申告で通る」「保険適用は嘘」といった情報が混乱を招いています。

この記事では、

  • ミレーナが保険適用になる正しい条件
  • “自己申告で通る”と誤解される理由
  • 自費と保険の費用の違い
  • 婦人科での診断と処方の流れ

を、渋谷文化村通りレディスクリニック監修のもとでわかりやすく解説します。 不確かな情報に惑わされず、正しい制度と診療のもとで、自分の体を守りましょう。

ミレーナとは?ミレーナの仕組み

ミレーナ(Mirena)とは、子宮内に装着する黄体ホルモン放出システム(IUS:Intrauterine System)のことです。

T字型の小さなプラスチック製器具の中に「レボノルゲストレル」というホルモンが入っており、子宮内で持続的にホルモンを放出することで、避妊や月経困難症の改善効果をもたらします。

装着後は最長5年間効果が持続し、避妊目的だけでなく、過多月経(出血量が多い)や月経困難症の治療にも使われています。

ホルモンの血中濃度が低いため、全身への副作用が少ないのも特徴です。

ミレーナの装着によって期待できる効果

ミレーナは、避妊目的だけでなく、女性特有の月経トラブルの改善にも有効です。

主な効果

  • 高い避妊効果(正しく装着されていれば99%以上)
  • 月経量の減少(3か月〜半年ほどで出血量が減る)
  • 生理痛の軽減
  • 子宮内膜症や子宮腺筋症の症状緩和
  • 鉄欠乏性貧血の改善

血中のホルモン濃度は低く抑えられるため、体への負担が比較的少ない治療法といわれています。

ミレーナのメリット・デメリット

メリット

  • 一度の装着で約5年間避妊効果が持続
  • 毎日の服薬が不要
  • 授乳中でも使用可能
  • 月経困難症・過多月経の治療効果がある
  • ピルに比べ血栓症リスクがほぼない

デメリット

  • 装着時に軽い痛みや不快感を伴うことがある
  • 不正出血やおりものの変化が一時的に起こることがある
  • 稀に器具の脱出・位置ずれが起こる
  • 性感染症の予防効果はない

💡避妊と治療の両面で優れた方法ですが、体質や子宮の形状によっては不向きな場合もあります。

婦人科医の診察で適応を確認しましょう。

ミレーナの注意事項

  • 装着前に必ず子宮頸がん検査・感染症検査を行います。
  • 装着後1〜3か月は、不正出血や軽い腹部痛が出ることがあります。
  • 性行為による感染症リスクを防ぐため、必要に応じてコンドームを併用しましょう。
  • ミレーナは避妊具として優秀ですが、性感染症(HIV・クラミジアなど)の予防効果はありません。

🩺 医師の指示のもと、装着後も定期的に子宮の状態をチェックすることが重要です。

ミレーナの主な副作用

ミレーナは全身にホルモンが行き渡らないため副作用は少ないですが、以下のような症状が一時的に起こる場合があります。

  • 不正出血(特に装着後3か月以内)
  • 月経量の変化(少なくなる・止まる)
  • 下腹部痛・腰痛
  • 頭痛・乳房の張り
  • おりものの変化

これらの症状は、多くの場合数週間〜数か月で自然に落ち着くとされています。

痛みや出血が長引く場合は、早めに医師へ相談してください。

ミレーナの挿入がおすすめの方

以下のような方にミレーナは特に適しています。

  • 月経痛が強く、生活に支障がある方
  • 出血量が多く、貧血気味の方
  • 低用量ピルが体質に合わない方
  • 授乳中や喫煙中でピルが使えない方
  • 長期間の避妊を希望する方
  • 子宮腺筋症・子宮内膜症の症状がある方

💡40代以降の更年期前の女性にも、ホルモンバランスの安定目的で処方されるケースがあります。

ミレーナの装着、定期検査、交換

装着手順

  • 婦人科で診察・子宮内検査を行う
  • 装着日は月経中〜終了直後が望ましい
  • 約5分で装着完了

定期検査

  • 装着後1〜3か月後、位置確認のため超音波検査を行います。
  • 6か月に1回程度の定期チェック推奨しています。

交換時期

  • ミレーナの効果持続期間は5年間です。
  • 5年経過後は交換または除去を行います。

ミレーナは保険適用になる?

ここが最も誤解されやすいポイントです。 ミレーナが保険適用になるのは、「避妊目的」ではなく「治療目的」の場合のみです。

保険適用になる主なケース

  • 過多月経(出血量が異常に多い)
  • 月経困難症(生理痛が強く生活に支障)
  • 子宮腺筋症・子宮内膜症の症状がある場合

これらの症状があり、医師が治療目的としてミレーナを処方した場合、保険診療での装着が可能です。

「自己申告で保険が通る」は誤解です。

インターネット上では「自己申告すれば保険で入れられる」といった情報も見られますが、

実際には医師の診断と検査に基づいて適応が決まるため、自己申告のみでの保険適用はできません。

正確には「医師が月経困難症などと診断した上で、治療目的でミレーナを挿入する場合のみ保険適用」となります。 保険適用の場合は12,000円前後になります。 避妊のみの目的では自費(約5〜6万円前後)が一般的です。

当グループでは、48,000円(税込)になります。 局所麻酔での処置もご相談可能です(無料)

🏥 渋谷文化村通りレディスクリニックでは 保険適用・自費の両方に対応しています。

月経の状態や症状を確認のうえ、最適な治療方法をご提案します。

その他の避妊方法との比較

方法

有効期間

避妊効果

ホルモンの影響

特徴

ミレーナ

約5年

約99%

局所的(子宮内)

月経トラブル改善も期待できる

低用量ピル

毎日服用

約99%

全身的

毎日の服用が必要

コンドーム

1回限り

約85〜95%

なし

性感染症予防も可能

子宮内避妊器具(銅IUD)

約10年

約99%

なし

ホルモンを使わない選択肢

💡ライフスタイルや体質に合わせて、最適な避妊・治療方法を選びましょう。

まとめ

ミレーナは、避妊と月経トラブル改善の両面で優れた効果を持つ治療法です。

ただし、保険適用になるのは「治療目的」の場合のみで、「避妊目的のみ」での挿入は自費扱いとなります。

不正確な情報に惑わされず、まずは医師の診察で「治療が必要な状態かどうか」を確認しましょう。

🏥 渋谷文化村通りレディスクリニックでは ミレーナの保険適用・自費診療に対応しています。 お一人おひとりの症状に合わせた治療をご提案します。

ミレーナに関するよくある質問

Q:避妊目的でも保険が使えますか? A:避妊のみを目的とする場合は自費になります。医師の診断で治療目的と認められた場合のみ保険適用です。

Q:ミレーナを入れると生理が止まるのは正常? A:ホルモンの影響で出血が減る・止まることがありますが、多くは問題ありません。

Q:5年経過後も使い続けられますか? A:5年を過ぎると効果が薄れるため、交換が必要です。

Q:装着時に痛みはありますか? A:個人差はありますが、数分で終わる処置です。希望があれば鎮痛剤を使用します。

Q:辛い生理痛改善と、もう妊娠希望はないので避妊も兼ねてピルを勧められて飲んでいるのですが、やはり毎月の生理はそれなりにしんどいので、今後ミレーナに変えることも考えています。ミレーナは生理の量や回数が減るというので症状が楽になるんじゃないかと思うので。

辛い生理痛改善などの場合は保険適用になると聞いたことがあるのですが、保険適用でミレーナを入れてもらうことは出来ますか?

A:辛い月経痛があるなら、ミレーナは保険で挿入可能です。保険適用となったのは、「過多月経」「月経困難症」のケースです。避妊目的の方は保険適用にはなりません。

ミレーナ挿入の保険適用の値段は、3割負担なら初診の方で12,000円程度です(当院ではクレジットカードもご利用できます)

保険適用になるかどうか、ミレーナがあなたにとって最適な選択肢であるかなども含めて、月経以外の時期にまずはご相談にいらして下さい。

[引用:【池袋クリニック無料医療相談掲示板(婦人科)】より] 様々なシチュエーションにより、様々な不安があるかと思います。 同じグループクリニックの【池袋クリニック無料医療相談掲示板(婦人科)】を引用し、同じようなお悩みやご不安を抱えている方の参考になれば幸いです。

留意点

池袋クリニック無料医療相談掲示板(婦人科)に記載されている内容は、診断・治療に置き代わるものではありませんので、この点を十分ご理解いただき、以下の事項ご確認のうえ、参考にしてください。 ▶情報の利用は、利用者側の自由な選択、判断、意思に基づきなされたとみなされ、情報利用による利用者の不利益は、原則として利用者の方々のご負担となります。 ▶本掲示板の情報内容の正確性・有効性については、直接診断をしているものではなく、情報内容の正確性・有効性に関して限界があることを予めご了承ください。

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