子宮頸がんワクチン

子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV(ヒトパピローマウイルス)に対する抗体をつくらせるワクチンです。なお、このワクチンに含まれるウイルスには中身(遺伝子)がないので、接種しても感染することはありません。

当院の取扱いワクチンの種類

ガーダシル

ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)の6/11/16/18型の4つの型の感染を予防する4価のHPVワクチンです。

シルガード9NEW!!

ガーダシルの4つの型に加え、31/33/45/52/58の高リスク型も予防する9価のHPVワクチンです。

※シルガード9は予約が必要になります。受診前に必ずクリニックへお電話下さい。(当日予約は不可)在庫の関係もあり、直接来院されてもご対応できませんのでご了承下さい。

接種の回数

全3回

※どちらも2回目:初回2ヶ月後、3回目:初回6ヶ月後

費用について

成分 ガーダシル
未成年/学生
※学生証持参
ガーダシル
一般
シルガード9
一般のみ
1回につき 16,300円 18,400円 36,000円
3回目まとめて割  ―   ―  98,000円

※途中でワクチン種類の変更はできません。

※保険適用されないため全額自己負担となります。

※当院は子宮頸がんワクチン渋谷区助成制度の対象外です。

接種までの流れ

  • STEP1

    あらかじめ電話で接種希望のご連絡をください。

    03-5428-6118
  • STEP2

    御来院いただき、カウンセリングを行います。

  • STEP3

    ワクチンを接種し、経過を確認します。

Youtube

子宮頸がんワクチンとは

子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの持続的感染が原因であることが1983年ツアハウゼン博士により発見されました。

しかし、HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頚部に感染しても、血液中に入ることが無いため、

感染防御の要となる液性免疫(抗体)を自然には得ることができません。

そのため、HPVを一度排除しても繰り返し感染することがあります。
その後の分子生物学・遺伝子工学の大変な進歩によりHPVの感染を予防するワクチンが開発されるに

至りました。そして、ワクチンでHPVの感染を防ぐことにより、子宮頸がんは「予防することができる」時代になりました!

日本ではHPV 16/18型は子宮頸がんの発症原因の約65%を占めており、特に20代では90%、30代では75.9%になります。更に「シルガード9」が予防する5つの型も含めると発症原因の約88.2%もの割合となります。

一方、両ワクチン共通の低リスク型であるHPV 6/11型は尖圭コンジローマ(性器イボ)の発症原因の約90%を占めています。HPVワクチンは、9歳以上の女性において、子宮頸がんだけでなく、尖圭コンジローマといったHPV疾患を幅広く予防します。

子宮頸がん予防ワクチン Q&A

ガーダシルは誰でも接種することができますか

9歳以上の女性が対象となります。※当院では高校生より対応

妊婦又は妊娠している可能性のある女性の接種は妊娠終了まで延期、また接種期間の途中で妊娠した際には、その後の接種は見合わせることとされています。

子宮頸がんワクチンは何回接種すればよいの?

本ワクチンの十分な効果を得るためには3回の接種が必要です。
【接種スケジュール:初回接種➡2ヵ月後➡6ヵ月後】

子宮頸がんワクチンを接種することで逆にがんが発生することはないの?

最新の遺伝子工学の技術によりできた、中身の無い(感染に必要な HPV DNAゲノムが無い)、殻(カプシド)だけの偽ウイルス( VLP: virus like particle )なので、発がん性はまったくありません。

子宮頸がんワクチンの副反応にはどういうものがありますか?

ワクチンを接種した後には、注射した部分が痛むことがあります。
注射した部分の痛みや腫れは、体内でウイルス感染に対して防御する仕組みが働くために起こります。通常数日間程度で治ります。

子宮頸がんワクチン接種の際に注意しなければいけないことは?

接種当日の入浴は問題ありません。
接種後丸1日は、過度な運動は控えましょう。
接種後は、接種部位を清潔に保ちましょう。
接種後はアレルギー反応が出ることがあるので、接種後30分間はクリニックで様子を見ます。

HPVに感染したことがあり、検査で16型感染が消えていました。
子宮頸がんワクチンで効果はありますか?

現段階では、まだはっきりとわかっていません。ある研究者は「現在の16型感染がなければ、効果がある」と考えていますが、ある研究者は「一度16型に感染すると、子宮頚部の基底細胞に遺伝情報が残っているため、効果は無い」と考えています。

現在異形成で経過観察中ですが、子宮頸がんワクチンで効果はありますか?

子宮頸がんワクチンはHPV感染予防ワクチンなので、異形成に対する治療効果はありません。
しかし、異形成の原因が16/18型以外(シルガード9は31/33/45/52/58型も)のHPVであれば、頸がん予防効果は期待できます。

接種途中から別のワクチンに変更できますか?

他のHPVワクチンとの互換性に関する安全性・免疫原性・有効性の臨床効果を評価した報告はありません。可能な限り、同じ種類のワクチンを3回接種する事をお勧めします。

過去に他のHPVワクチンの接種が完了している場合、追加でシルガード9を接種する事はできますか?

接種不適当者には該当しないため、接種は可能です。また、ガーダシル接種完了後、シルガード9を接種した場合の免疫原性、安全性データは報告されています。ただし、海外のガイドラインでは、接種完了者にシルガード9を追加接種する事は推奨されていません。なお、シルガード9については、男性への接種に対する適応はありません。

子宮頸がんワクチンの効果は何年くらい持続するの?

HPV16型単価ワクチンのデータでは、接種後8.5年経過した現在でもHPV16型による疾患を100%予防していることが判明しています。

子宮頸がんワクチンを接種したら、今後の子宮頸がん検診は必要ありませんか?

子宮頸がん予防戦略は、一次予防としてワクチン接種、二次予防として子宮がん検診と考えられています。ガーダシルはHPV16/18型、シルガード9は16/18/31/33/45/52/58型の予防ワクチンです。この型のHPVに対しては100%の感染予防効果があります。しかし、それ以外のハイリスク型(発がん性)HPVの予防にはなりません。
したがって、ワクチン接種後も定期的な検診でさらにリスク管理をすることが重要です。

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