卵巣がんは、卵巣にできる悪性腫瘍です。
卵巣は骨盤の奥にある小さな臓器のため、腫瘍がある程度大きくなるまで自覚症状が出にくく、初期の段階で気づきにくい特徴があります。
国立がん情報サービスでも、卵巣がん・卵管がん・腹膜がんは初期にはほとんど自覚症状がないとされています。
症状としては、腹部の張り、服のウエストがきつくなる感じ、下腹部のしこり感、食欲低下、頻尿、便秘、足のむくみなどがみられることがあります。
ただし、これらの症状は卵巣がんだけに特有ではありません。
体調不良が続く、以前と違う腹部症状がある、健診で卵巣の腫れを指摘されたという場合は、婦人科で確認することが大切です。
卵巣がんで重要なのは、不安だけで判断しないことです。
早く受診するほどよいとはいえ、「症状がないから大丈夫」とも「少し張るからすぐ卵巣がん」とも言えません。
気になる変化が続くときに、婦人科で卵巣の状態を確認することが受診の第一歩になります。
卵巣がんとは?

卵巣がんとは、子宮の両側にある卵の入った親指の先ほどの小さな臓器(卵巣6~8gくらい)に出来るがんです。自覚症状はほとんどないので早期発見がむずかしく、発生率は低いのに死亡率の高い危険ながんです。
卵巣がんの発生率が年々増加しており、ピークは50歳代ですが、年齢を問わず発生します。早期発見のためにも検診を受けましょう!
卵巣がんの頻度・なりやすい人・リスク
卵巣がんは女性のがんの中で極端に多い部位ではありませんが、一定数みられるがんです。
国立がん研究センターのがん統計では、2023年に日本で新たに診断された卵巣がんは12,926例、2024年の死亡数は5,116人とされています。
年齢では50歳代前後に多い傾向がありますが、年齢だけで線引きはできません。
当院でも、卵巣がんは50歳代がピークでありながら、年齢を問わず発生すると考えています。
若い世代でも卵巣の腫れや腫瘍性病変がみつかることはあるため、症状や指摘事項がある場合は年代にかかわらず婦人科受診を検討するべきです。
リスクとしては、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に関わるBRCA1/2遺伝子変異が代表的です。
日本婦人科腫瘍学会では、BRCA1変異保持者の卵巣がん発症リスクは39〜46%、BRCA2変異保持者では12〜27%と報告されています。
ほかにも、子宮内膜症との関連が示されており、特に卵巣チョコレート嚢胞を含む子宮内膜症の管理は重要です。
卵巣がん検診・検査の概要
まず押さえておきたいのは、卵巣がんには、子宮頸がん検診のように国の指針で定められた対策型検診はありません。
国立がん情報サービスでも、卵巣がん全般について現在のところ、指針として定められたがん検診はないとしています。
その一方で、婦人科では卵巣の異常を調べるための検査は行えます。
当院では、卵巣がんが心配な方や、卵巣の腫れを指摘された方に対して、超音波検査と血液検査を中心に卵巣の状態を確認します。
検査方法・検査の種類
卵巣がんが疑われる場合、一般的には腹部の触診、内診、直腸診、超音波検査、CT、MRIなどの画像検査を組み合わせて評価します。
国立がん情報サービスでも、卵巣がんが疑われた場合には超音波検査やCT、MRIなどの画像検査を行うとしています。
当院でまず行う中心的な検査は、超音波検査と血液検査です。
超音波検査では、卵巣の大きさ、腫れの有無、のう胞性か充実性かなど、卵巣の形態を確認します。
婦人科の診察では経腟超音波検査が卵巣評価に役立ちます。
一方で、超音波検査だけで「良性か悪性か」を最終確定することはできません。
画像所見や血液検査を合わせて総合的に判断し、必要があれば高次医療機関でCTやMRI、手術による病理診断へ進みます。
卵巣がんは最終的に病理検査で確定する場合があるため、婦人科での初期評価と、その後の適切な紹介が重要です。
腫瘍マーカー・検査結果の見方・発見後の対応
当院では、良性と悪性を判断する際の参考として、CA125、CA19-9、CA72-4などの腫瘍マーカーを用いることがあります。これらは血液検査で確認できます。
ただし、腫瘍マーカーは「高ければがん」「正常なら安心」と単純に言い切れる検査ではありません。
CA125は月経や子宮内膜症などでも上昇することがあり、腫瘍マーカー単独で診断はできません。
結果を見るときは、超音波所見、症状、年齢、既往歴などを含めて総合的に判断する必要があります。
検査で卵巣の腫れや悪性が疑われる所見が出た場合は、そのまま様子を見るのではなく、必要に応じて精密検査や高次医療機関への紹介を行います。
国立がん情報サービスでも、画像検査で卵巣がんが疑われた場合には手術で病変を採取し、病理検査で診断する流れが示されています。
婦人科での検査は、異常を見つけたあとに適切な次の一手へつなげる役割があります。
卵巣の状態を確認する検査の費用
当院では、卵巣の状態を確認する検査として、超音波検査と血液検査を行います。
症状がある場合は保険適用になることがあり、経腟超音波検査は保険適用3割負担・初診料込みの目安で約2,500円です。
自費で経腟超音波検査を受ける場合は7,700円です(初診料込み)。
予約については、当院は予約制ではなく直接ご来院いただけます。
一方で、スムーズな診察を行うためにWEB受付システムを導入しておりますので、事前にご確認の上、ご来院くださいませ。
「症状があるから保険診療になるのか」「自費で受けるべきか」「どこまで当院で調べられるか」が分からない場合でも、まず婦人科で相談すれば整理しやすくなります。
卵巣の異常は自己判断が難しいため、不安を抱えたままにしないことが大切です。
予約・受診の流れ・施設案内
受診の流れは、来院後に受付、問診、必要に応じて内診や超音波検査、血液検査という形です。
卵巣がんが心配という場合でも、いきなり大きな検査から始まるわけではなく、まずは現在の症状や健診結果、既往歴を整理しながら、必要な検査を組み立てていきます。
気になる症状が続く方、他院や健診で卵巣の腫れを指摘された方、婦人科に行くべきか迷っている方は、まず受診してください。
卵巣の異常は症状だけでは判断しにくいため、婦人科で状態を確認することが来院の意義になります。
卵巣がんの予防と日常生活でできる対策
卵巣がんには、現在のところ特有の予防法は確立されていません。
国立がん情報サービスでも、卵巣がん全般について特有の予防法は確立されていないとしています。
そのうえで、がん全般の予防としては、禁煙、飲酒を控えること、バランスのよい食事、身体活動、適正体重の維持、感染予防が有効とされています。
卵巣がんだけを確実に防ぐ方法ではありませんが、日常生活を整えることは健康管理の基本になります。
また、家族に乳がん・卵巣がんの方が複数いる場合や、若い年齢での発症歴がある場合は、遺伝的背景を考える必要があります。
BRCA1/2変異が関わるHBOCではリスクが高くなるため、該当が気になる場合は遺伝カウンセリング体制のある施設への相談も選択肢になります。
まとめ
卵巣がんは初期に自覚症状が乏しく、腹部の張り、食欲低下、頻尿、便秘などの一見ありふれた症状から見つかることがあります。
だからこそ、症状が続く、健診で異常を指摘された、不安があるという時点で婦人科に相談することが大切です。
当院では、卵巣がんが心配な方に対して、超音波検査と血液検査を中心に卵巣の状態を確認します。
必要に応じて精密検査や紹介につなげることで、次に取るべき行動を整理できます。
渋谷で婦人科受診を検討している方は、気になる症状を我慢せず、ご来院ください。
よくある質問
卵巣がんは症状がないまま進むことがありますか?
あります。国立がん情報サービスでも、初期の段階ではほとんど自覚症状がないとされています。症状が出る頃には腫瘍が大きくなっていることもあるため、違和感が続くときは婦人科で確認することが重要です。
卵巣がんは何科を受診すればよいですか?
まずは婦人科です。卵巣の状態は、内診や超音波検査など婦人科での評価が基本になります。悪性が疑われる場合は、必要に応じて高次医療機関へ紹介します。
卵巣がんは市区町村のがん検診で見つかりますか?
卵巣がんには、子宮頸がん検診のような国の指針で定められた対策型検診はありません。症状がある方や、卵巣の異常が気になる方は、自治体検診を待つのではなく婦人科で相談することが大切です。
腫瘍マーカーだけで卵巣がんかどうか分かりますか?
分かりません。CA125などの腫瘍マーカーは参考になりますが、それだけで診断はできません。超音波検査などの画像所見や症状を合わせて判断し、必要があればさらに精密検査を進めます。
当院ではどのような検査ができますか?
当院では、卵巣がんが心配な方に対して、超音波検査と血液検査を行います。腫瘍マーカーとしてはCA125、CA19-9、CA72-4などを用いることがあります。
