【医師監修】子宮筋腫の症状チェックリスト|放置しないで!早期発見のためのサインと受診の目安
「生理の量が増えた」「お腹が張る」「疲れやすい」——
それ、子宮筋腫のサインかもしれません。
子宮筋腫は、成人女性の約4人に1人が発症するといわれる良性の腫瘍です。
初期のうちは自覚症状が少なく、気づかないうちに大きくなるケースも少なくありません。
この記事では、
・子宮筋腫の症状を簡単に確認できるチェックシート
・症状の特徴と見分け方
・婦人科で受けられる検査内容
・他の子宮疾患との違い
を、渋谷文化村通りレディスクリニック監修のもとでわかりやすく解説します。
💡「もしかして…?」と思ったら、早めの婦人科検診が安心です。
当院では、超音波検査による子宮筋腫の早期発見・治療相談を行っています。
子宮筋腫チェックシート
子宮筋腫は、女性の4人に1人が発症するといわれる良性の腫瘍です。
初期のうちは自覚症状が少ないため、「なんとなく生理が重くなった」「貧血気味」などの小さな変化を見逃してしまうこともあります。
以下のチェックシートで、現在の症状を確認してみましょう。
ひとつでもあてはまる場合は、一度婦人科で検査を受けることをおすすめします。
- 貧血がある
- 月経の量が多くなった、レバーのような血のかたまりが出る
- 月経時以外で出血がある
- 下腹部痛、腰痛がある
- トイレの回数が近い
- 下腹部がポッコリしてきた
💡チェックに当てはまる症状が多いほど、子宮筋腫の可能性があるサインです。
放置せず、早めの婦人科受診で正確な診断を受けましょう。
子宮にできる良性腫瘍です。
30~40歳代に多く、成人女性の4人に1人は筋腫があるといわれています。
初期の自覚症状はほとんどありません。不妊や流産の原因にもなります。
子宮筋腫とは
子宮筋腫とは、子宮の筋肉の一部が増殖してできる良性の腫瘍です。
女性ホルモン(エストロゲン)の影響で成長し、20代後半〜40代の女性に多く見られます。
腫瘍の大きさは数ミリ〜10cm以上になることもあり、筋腫のできる場所や数によって症状が異なります。
| 筋腫の種類 | 発生部位 | 特徴・主な症状 |
| 筋層内筋腫 | 子宮の筋肉の中 | 月経量が多い、生理痛、腰痛などの症状が多く見られ、ひどいと貧血になる。 |
| 漿膜下筋腫 | 子宮の外側 | 周囲臓器を圧迫し、頻尿や便秘を起こす |
| 粘膜下筋腫 | 子宮の内側(子宮腔側) | 出血が多く、不正出血・貧血・不妊の原因になることも |
🩺 子宮筋腫は良性であり、がんとは異なりますが、大きくなると日常生活に支障をきたすこともあります。
子宮筋腫が引き起こす様々な症状
子宮筋腫は、腫瘍の大きさや位置によって現れる症状が変わります。
代表的なものには次のような症状があります。
出血に関する症状
- 月経量が多くなる(過多月経)
- 月経期間が長くなる(過長月経)
- 不正出血が続く
- 貧血によるめまい・息切れ・疲労感
痛みに関する症状
- 月経痛が強くなる
- 腰痛・下腹部痛
- 性交時の痛み(性交痛)
圧迫による症状
- 頻尿・残尿感
- 便秘・腹部の張り感
- 下腹部の膨満(「お腹が出てきた」と感じる)
妊娠・不妊に関する症状
- 受精卵が着床しにくい
- 妊娠初期に流産しやすくなる
💡これらの症状が続く場合、「年齢のせい」や「疲れ」で済ませずに、早めの検査が大切です。
見つけるために必要な「検査」
子宮筋腫は、婦人科での基本的な検査で発見することができます。
痛みを伴う検査はほとんどありません。
主な検査方法
- 内診
子宮の大きさ・形・しこりの有無を確認します。 - 経腟超音波(エコー)検査(基本はこれだけで診断可能です)
子宮内部を画像で確認し、筋腫の位置や大きさを把握します。 - MRI検査
筋腫の種類や発育の方向を詳しく調べる検査です。手術を検討する際に行われます。 - 血液検査
貧血の有無を確認します。
渋谷文化村通りレディスクリニックでは、定期的な婦人科検診と超音波検査を組み合わせて、子宮筋腫の早期発見・経過観察を行っています。
子宮筋腫以外の子宮に関する病気
子宮のトラブルは、筋腫以外にもいくつかの疾患で起こることがあります。
| 疾患名 | 主な症状 | 特徴 |
| 子宮内膜症 | 生理痛・性交痛・不妊 | 子宮内膜が子宮外に発生する |
| 子宮腺筋症 | 生理痛・過多月経・腰痛 | 子宮の筋肉の中に内膜組織が入り込む |
| 子宮頸がん | 不正出血・おりもの異常 | HPV感染が主な原因。検診で早期発見が可能 |
| 子宮体がん | 不正出血・下腹部痛 | 閉経後の出血が特徴。早期発見で治療可能 |
💡症状だけでは病気を特定できません。
「筋腫だと思っていたら内膜症だった」というケースもあります。
定期的な検診で早めの発見を心がけましょう。
子宮内膜症チェック
子宮にできる良性腫瘍です。30~40歳代に多く、成人女性の5人に1人は筋腫があるといわれています。
初期の自覚症状はほとんどありません。不妊や流産の原因にもなります。
- 月経痛が強い
- 月経痛がだんだん強くなってきている(鎮痛剤が効かない)
- 慢性的な骨盤痛がある
- セックスの時に奥の方が痛い
- 排便時痛がある
- 月経の量が多い、レバーのような血のかたまりが出る
- 月経期間が長い
子宮頸がんチェック
子宮頸がんは子宮の入口にできるがんです。
日本は子宮頸がんにより亡くなる人は年間約3,000人に上り、単純に平均すれば1日に約8人が亡くなっています。
子宮頸がんは若い人がかかる病気に変化しており、30歳代で子宮頸がんになる人も増えています。
子宮頸がんの原因となるウィルスであるHPVは、とてもありふれたウィルスで、性交経験のある女性の多くはHPVに感染すると言われるほどです。
- 月経時以外で出血がある
- セックスのときに出血をする
- おりものの異常(においが強い・膿っぽいおりもの)
子宮頸がんが心配な方はこちら
まとめ
子宮筋腫は、女性にとって珍しい病気ではなく、適切に管理すれば十分にコントロールできる疾患です。
しかし、放置すると出血や貧血、不妊などにつながることもあります。
- 生理の量が増えた
- 下腹部の張りや違和感がある
- 貧血やだるさが続く
このような症状がある方は、早めに婦人科で検査を受けましょう。
正しい診断と治療で、快適な毎日を取り戻すことができます。
