陰部のできもの・しこりの原因は?考えられる病気と受診の目安を医師監修で解説

陰部にできものやしこりを見つけて、「これって何だろう」「放っておいて大丈夫?」「病院に行くべき?」と不安になり、検索された方も多いのではないでしょうか。

陰部のできもの・しこりは、皮脂のたまりや一時的な炎症など、比較的よくある原因で起こることも少なくありません。

一方で、性感染症や治療が必要な病気、まれに悪性疾患が関係していることもあり、見た目や触った感覚だけで判断することはできません。

この記事では、

  • 陰部のできもの・しこりの主な原因
  • 良性・感染症・悪性の可能性の違い
  • 様子を見てよいケースと、婦人科を受診すべき目安
  • 検査や治療の流れ

について、医師監修のもと分かりやすく解説します。

「今の状態が大丈夫かどうか」を判断するための参考として、ぜひ最後までご覧ください。

渋谷文化村通りレディスクリニックでは、陰部のできもの・しこりといったデリケートなお悩みについても、婦人科医が丁寧に診察し、必要に応じた検査や治療をご案内しています。

「これくらいで受診していいのかな」と迷う段階でも構いません。

不安を抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

目次

女性の陰部のできもの・しこりとは?

女性の陰部(外陰部)にできる「できもの」や「しこり」は、ある日ふとしたきっかけで気づくことが多く、強い不安を感じやすい症状のひとつです。

痛みがある場合もあれば、痛みはなく「触ると硬い」「違和感があるだけ」といったケースもあり、症状の現れ方には個人差があります。

多くの場合は良性の変化や一時的な炎症によるものですが、見た目や触った感覚だけで原因を判断することはできません。

なかには感染症や治療が必要な病気が関係していることもあるため、まずは「どのような特徴があるのか」を正しく知ることが大切です。

陰部(外陰部)にできる「できもの」「しこり」の特徴

女性の陰部(外陰部)にできる「できもの」や「しこり」は、皮膚の表面だけでなく、皮下組織や腺、リンパ節など、さまざまな部位から発生する可能性があります。

そのため、見た目や触った感覚は人によって大きく異なります。

  • 赤く腫れて目立つもの
  • 触ると硬さを感じるもの
  • 押すと痛みがあるもの
  • 痛みはないが違和感が続くもの

など、症状の出方は一様ではありません。

突然気づくことが多く、不安を感じやすい症状

陰部は日常的にじっくり観察する部位ではないため、入浴時や下着の着脱時に突然しこりに気づいて驚くケースが多く見られます。

「いつからあったのか分からない」「急に大きくなった気がする」など、不安を感じて受診される方も少なくありません。

多くは良性だが、見た目だけで判断できない

陰部のできもの・しこりの多くは、良性の変化や一時的な炎症によるものです。

毛穴の炎症や皮脂のたまりなど、比較的よく見られる原因もあります。

しかし、同じように見える症状でも原因はさまざまで、見た目や触った感覚だけで正確に判断することはできません。

感染症や治療が必要な病気が関係することもある

陰部のできものの中には、

  • 細菌やウイルスによる感染症
  • 性感染症(STD)
  • まれに腫瘍性の病変

が関係している場合もあります。

特に、しこりが長期間治らない、増えてきた、出血を伴うといった場合は注意が必要です。

陰部にできもの・しこりが発生するのはなぜ?(原因・病気)

陰部のできものやしこりは、皮膚の表面だけでなく、皮下組織や腺、リンパ節など、さまざまな部位から発生する可能性があります。

そのため、原因も一つではなく、体質や生活習慣、感染の有無など、複数の要因が関係していることがあります。

見た目や触った感覚だけで「大丈夫そう」「様子を見ていい」と判断することは難しく、原因に応じた適切な評価が重要になります。

皮脂や老廃物のたまりによるもの

皮膚の下に皮脂や角質などの老廃物がたまることで、しこりとして触れるようになることがあります。
代表的なものに粉瘤(アテローム)があります。

このタイプのしこりは、

  • ゆっくり大きくなる
  • 押すと硬さを感じる
  • 痛みはないことも多い

といった特徴がありますが、細菌感染を起こすと赤く腫れたり、痛みが出ることがあります。

毛穴や皮膚の炎症によるもの

毛穴に細菌が入り込むことで、炎症を起こし、赤く腫れたできものができることがあります。

いわゆる毛嚢炎(毛包炎)などがこれにあたります。

  • 下着やナプキンによる摩擦
  • ムダ毛処理後の刺激
  • 汗や蒸れ

などがきっかけとなることもあり、一時的な炎症として起こるケースも少なくありません。

細菌・ウイルスなどの感染によるもの

陰部のできものの原因として、細菌やウイルスによる感染が関係していることもあります。

  • 細菌感染による腫れや痛み
  • ウイルス感染によるイボ状のできもの

感染によるできものは、放置すると悪化したり、周囲に広がることもあるため、早めの対応が必要です。

腫瘍性の病変(良性・悪性)

頻度は高くありませんが、陰部のしこりの中には腫瘍性の病変が含まれることもあります。

多くは良性ですが、まれに悪性の病気が関係している場合もあります。

  • しこりが硬く、徐々に大きくなる
  • 長期間変化がない、または悪化する
  • 出血やただれを伴う

といった場合は、専門的な評価が必要です。

症状だけで原因を見分けることは難しい

陰部のできものやしこりは、

  • 痛みがある/ない
  • 小さい/大きい
  • 硬い/柔らかい

といった違いがあっても、それだけで原因を特定することはできません。

同じような症状でも、背景となる病気が異なることがあります。

良性のできもの・炎症性疾患

陰部のできもの・しこりの中で、比較的多く見られるのが良性のできものや炎症によるものです。

多くは命に関わるものではありませんが、症状の経過や状態によっては治療が必要になることもあります。

粉瘤(アテローム)によるしこり

粉瘤(アテローム)は、皮膚の下に皮脂や角質などの老廃物がたまることでできる、良性のしこりです。

陰部にも発生することがあり、初期は痛みがなく、触ると硬さを感じることが多いのが特徴です。

  • 徐々に大きくなる
  • 押すと皮膚の下で動く感じがすることがある
  • 炎症を起こすと赤く腫れ、痛みや熱感が出る

炎症が起こると急激に悪化することがあるため、違和感が続く場合は早めの相談が安心です。

毛嚢炎(毛包炎)による炎症

毛嚢炎(毛包炎)は、毛穴に細菌が入り込むことで起こる炎症です。

赤く腫れて痛みを伴うことが多く、ニキビのように見えることもあります。

  • ムダ毛処理後の刺激
  • 蒸れや汗

などがきっかけになることがあります。

軽症であれば自然に改善することもありますが、痛みが強い、広がってきた場合は受診が必要です。

皮下膿瘍

皮下膿瘍は下着やナプキンが擦れてミミズ腫れの様になり、しこりや痛みとして感じます。

バルトリン腺嚢胞・炎による腫れ

バルトリン腺は、腟の入り口付近にある分泌腺で、この出口が詰まることで嚢胞(袋状の腫れ)ができることがあります。

感染を伴うと炎症を起こし、強い痛みや歩行時の違和感が出ることもあります。

  • 片側に腫れを感じることが多い
  • 痛みがなく違和感だけの場合もある
  • 炎症が強いと日常生活に支障が出る

症状が軽くても、繰り返す場合や腫れが大きくなる場合は治療が必要になることがあります。

性感染症(STD)によるできもの

陰部のできもの・しこりの原因として、性感染症(STD)が関係していることもあります。

性感染症と聞くと強い不安を感じる方も多いですが、決して珍しいものではなく、誰にでも起こり得る感染症です。

見た目や症状には個人差があり、自己判断が難しいため、正しい知識を持つことが大切です。

尖圭コンジローマ(HPV感染)によるできもの

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によって起こる性感染症です。

陰部やその周囲に、小さなイボ状のできものが現れるのが特徴です。

  • 表面がざらざら、ブツブツしている
  • 痛みやかゆみがほとんどないことも多い
  • 徐々に数が増えたり、大きくなることがある

痛みが少ないため放置されがちですが、自然に治ることは少なく、外用剤治療や焼灼などの外科的治療が必要になります。

腟前庭乳頭症

尖圭コンジローマと誤診される事が多い病態です。

小陰唇内側などの粘膜部分に発生し、両側対称性に発症する事が多いです。表面はツルッとしていてコンジローマの様にギザギザしていません。

診断は肉眼診断です。

病理検査に提出すると乳頭状の増殖をしている事からコンジローマと誤診されるケースがあり、どこから誰にうつされたのかとノイローゼになる方もいます。

きちんと診断できる医療機関の受診を推奨します。

性器ヘルペスによる水疱・潰瘍

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスへの感染によって起こります。

初感染時には、強い痛みを伴う水疱やただれ(潰瘍)が現れることがあります。

  • ヒリヒリとした痛み
  • 赤みや腫れ
  • 発熱やだるさを伴うこともある

症状が落ち着いても、ウイルスは体内に残るため、再発を繰り返すことがあるのが特徴です。

性感染症は症状が軽い、または一時的なこともある

性感染症の中には、

  • 症状がとても軽い
  • 一時的に治まったように見える
  • できものが小さく気づきにくい

といったケースもあり、「大丈夫そう」と自己判断してしまいやすい特徴があります。

しかし、治ったように見えても感染が続いていることがあり、放置すると症状が悪化したり、感染を広げてしまう可能性があります。

悪性疾患(外陰癌・腫瘍)

頻度は高くありませんが、陰部のできもの・しこりの中には、悪性疾患(外陰癌など)が関係しているケースもあります。

多くの方にとってはまれな病気ですが、早期に発見できれば治療の選択肢が広がるため、注意すべきサインを知っておくことが大切です。

外陰癌とはどのような病気か

外陰癌は、女性の外陰部(大陰唇・小陰唇など)に発生する悪性腫瘍です。

発症頻度は高くありませんが、初期には「できもの」「しこり」として気づかれることがあります。

初期症状が軽いため、良性のしこりや炎症と区別がつきにくいこともあり、違和感を放置してしまうケースが見られます。

悪性が疑われるしこりの特徴

次のような特徴がある場合は、注意が必要です。

  • しこりが硬く、徐々に大きくなっている
  • 表面がただれたり、出血しやすい
  • 触ると痛みや違和感が続く
  • 数週間〜数か月たっても改善しない

これらの症状がある場合、早期に専門的な評価を受けることが重要です。

良性のできものとの見分けは難しい

外陰部のできものは、良性のものでも硬さや腫れを感じることがあり、見た目や触った感覚だけで良性・悪性を判断することはできません。

そのため、「痛くないから大丈夫」「小さいから様子を見よう」と自己判断せず、変化が続く場合は医師に相談することが大切です。

早期発見・早期治療がとても重要

外陰癌を含む悪性疾患は、早期に発見されるほど治療の負担が軽くなる傾向があります。

逆に、発見が遅れると治療が複雑になることもあります。

「念のため診てもらう」という受診が、結果的に安心につながることも少なくありません。

違和感を感じたら早めに婦人科へ相談を

外陰部にできたしこりやただれが気になる場合は、「大したことではないかも」と思っても、早めに婦人科で相談することが大切です。

婦人科では、視診や必要な検査を行い、治療が必要かどうか、経過観察でよいかを判断します。

早期発見のためのセルフチェック

日常的に以下の点を意識することで、異変に気づきやすくなります。

  • しこりの大きさや数に変化がないか
  • 痛みや赤み、熱感が出ていないか
  • 出血や分泌物がないか
  • 数日〜数週間で改善しているか

※これらは診断の代わりにはなりません。

少しでも「いつもと違う」と感じたら、受診を検討してください。

陰部のできもの・しこりは、日常生活の中では見過ごされやすい症状です。

日頃から以下のポイントを意識しておくことで、変化に早く気づき、適切なタイミングで受診しやすくなります。

しこりの大きさや数に変化がないかを確認する

まずは、できものやしこりの 大きさ・数・形 に変化がないかを意識しましょう。

  • 徐々に大きくなっていないか
  • 新しいしこりが増えていないか
  • 形が変わってきていないか

良性のできものでも変化することはありますが、短期間での変化や増加がある場合は注意が必要です。

痛み・赤み・熱感が出ていないかを見る

次に、炎症のサインが出ていないかを確認します。

  • 押すと痛みがある
  • 赤く腫れている
  • 触ると熱っぽい感じがする

これらは、感染や炎症が起きている可能性を示すことがあります。

痛みが強くなってきた場合や、範囲が広がってきた場合は、早めの受診が安心です。

出血や分泌物がないかをチェックする

陰部のできものから、

  • 出血している
  • 膿のような分泌物が出ている
  • 下着に血や分泌物が付く

といった変化がないかも重要なポイントです。

出血や分泌物を伴う場合は、自然に治るとは限らない状態の可能性があります。

数日〜数週間で改善しているかを振り返る

一時的な炎症や刺激によるできものは、数日から1〜2週間程度で改善することもあります。

一方で、

  • しこりが長期間変わらない
  • 改善したと思ったら再び悪化する
  • 何週間たっても治らない

といった場合は、経過観察ではなく受診を検討する目安になります。

「いつもと違う」と感じる感覚を大切にする

見た目や症状がはっきりしなくても、「何となく違和感がある」「今までと様子が違う」と感じること自体が大切なサインです。

陰部のできもの・しこりは、自己判断が難しい症状のひとつです。

少しでも不安があれば、「念のため相談する」ことが、早期発見につながります。

陰部のできものの検査や治療方法

陰部のできものやしこりがある場合、婦人科では症状や状態に応じて、必要な検査や治療を行います。

すべての検査を一度に行うわけではなく、状況に応じて段階的に進めるのが一般的です。

まずは視診・触診で状態を確認します。

最初に行うのが、陰部のできものの視診(見た目の確認)と触診(触っての確認)です。

  • できものの大きさや数
  • 赤み・腫れ・ただれの有無
  • 痛みの有無
  • 表面の状態(イボ状・しこり状など)

といった点を確認し、考えられる原因の方向性を判断します。

この段階で、緊急性があるかどうかもあわせて評価します。

必要に応じて超音波検査を行うことがあります

しこりが皮膚の奥にある場合や、内部の状態を詳しく確認する必要がある場合には、超音波検査を行うことがあります。

超音波検査では、

  • しこりの位置や深さ
  • 中身が液体か、組織か
  • 周囲との関係

などを確認することができ、良性・炎症性・腫瘍性の可能性を見極める手がかりになります。

感染症が疑われる場合は検査を行います

見た目や症状から、細菌感染や性感染症が疑われる場合には、必要に応じて感染症検査を行います。

  • 分泌物や患部からの検体採取
  • 血液検査
  • 性感染症検査

などを症状に合わせて選択します。

検査結果をもとに、適切な治療方針を決定します。

症状に応じた処置や投薬を行います

原因が分かった後は、状態に応じて治療を行います。

  • 炎症を抑える薬の処方
  • 感染症に対する抗菌薬・抗ウイルス薬
  • 経過観察で様子を見る場合

など、症状や原因によって対応は異なります。

必ずしも処置が必要とは限らず、軽症であれば経過観察のみとなることもあります。

原因が分かることで不安が軽くなることも多い

陰部のできものは、原因が分からないまま不安を抱え続けることがつらい症状です。

検査によって原因がはっきりすることで、

  • 心配していた病気ではなかった
  • 今後どうすればよいかが分かる

といった形で、精神的な負担が軽くなる方も多くいらっしゃいます。

陰部にできもの・しこりが発生した場合の受診の目安

陰部のできものやしこりは、「様子を見ていいのか」「病院に行くほどなのか」判断に迷いやすい症状です。

以下のような場合は、早めに婦人科を受診することがすすめられます。

痛みが強い、または徐々に悪化している場合

できものやしこりに伴う痛みが強い場合や、時間の経過とともに痛みが増している場合は注意が必要です。

炎症や感染が進んでいる可能性があり、放置すると症状が悪化したり、治療に時間がかかることもあります。

我慢せず、早めに相談することで適切な対応につながります。

しこりが大きくなってきている場合

最初は小さかったしこりが、

  • 徐々に大きくなっている
  • 硬くなってきた
  • 数が増えている

といった変化が見られる場合は、受診の目安になります。

良性のしこりでも、経過によっては治療が必要になることがあります。

出血・発熱・ただれを伴う場合

できものの部分から出血があったり、発熱やただれを伴う場合は、感染や他の病気が関係している可能性があります。

特に、出血が続く・ただれが治らないといった場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。

数週間たっても改善しない場合

一時的な炎症や刺激によるできものは、数日から1〜2週間ほどで自然に改善することもあります。

しかし、

  • 数週間たっても変化がない
  • 一度良くなったように見えて再び悪化する
  • ずっと同じしこりが残っている

といった場合は、経過観察ではなく受診を検討するタイミングです。

性感染症の可能性が不安な場合

陰部のできものが、性感染症によるものかどうかは、見た目や症状だけでは判断できません。

  • 性交渉の機会があった
  • 性感染症の可能性が少しでも気になる

といった場合は、早めに検査を受けることで、不安を解消し、必要な治療につなげることができます。

まとめ

陰部のできもの・しこりは、多くが良性ですが、見た目だけで判断することはできません。

不安を抱えたまま放置せず、早めに婦人科で相談することで、原因を確認し安心につながります。

渋谷文化村通りレディスクリニック では、デリケートなお悩みも相談しやすい体制で診療を行っています。

「これって大丈夫?」と感じたら、早めにご相談ください。

陰部のできもの・しこりに関するQ&A

痛くなければ放置してもいいですか?

痛みがなくても治療が必要な場合があります。放置せず相談してください。

婦人科で診てもらえますか?

はい。陰部のできものやしこりは婦人科で相談可能です。

性病かどうかすぐ分かりますか?

症状だけでは判断できないため、検査が必要です。