茶色いおりものが出た…妊娠初期や着床出血との違い・受診の目安を医師が解説
「茶色いおりものが出たけど、これって大丈夫?」「妊娠初期のサインなの?」
そんな不安を感じる女性は少なくありません。
おりものの色や量は、女性ホルモンの変化や体調のサインを反映しており、茶色く見えるのは少量の血液が混ざったことによる現象です。
生理前後や排卵期などに一時的に見られる場合は心配いりませんが、妊娠初期の着床出血や、子宮・腟の炎症などが原因となることもあります。
特に妊娠の可能性がある方や、出血が長引く・痛みを伴う場合は、自己判断せず婦人科を受診することが大切です。
この記事では、
「茶色いおりものが出るのはどんな時?」
「妊娠初期や着床出血との違いは?」
「どんな症状なら病院に行くべき?」
といった疑問を、婦人科医監修のもと医学的根拠に基づいて解説します。
安心して自分の身体のサインを理解し、適切な対応につなげましょう。
「不安だから今すぐ検査したい」という方は下記より受付の上、当院までお越しください。
茶色いおりものが「正常な変化」である4つのケース
茶色いおりものが出ると「妊娠?」「病気では?」と不安になりますが、必ずしも異常とは限りません。
おりものの色は血液の混ざり具合やホルモンの変化でも変化するため、生理的な反応の一部として現れることがあります。
ここでは、医師の立場から見て「経過観察で問題ないことが多い4つのケース」を紹介します。
① 生理の始まり・終わりかけ
月経の前後に見られる茶色いおりものは、古い経血が少量ずつ混ざったものです。
鮮血が酸化して茶色く見えるだけで、通常は数日以内に治まります。
②着床出血(妊娠初期)
妊娠初期に見られる着床出血も、茶色いおりものとして現れることがあります。
受精卵が子宮内膜に着床した後の微量出血で、通常は1~3日ほどで自然におさまります。
妊娠の可能性がある場合は妊娠検査薬を施行し、陽性が出たら速やかに受診して相談しましょう。
③ピル・ホルモン治療によるホルモン変化
ピルやホルモン療法を始めたばかりの時期は、体が新しいホルモンバランスに慣れる過程で出血が起こることがあります。
一時的であれば問題ありませんが、長く続く場合は医師に相談を。
④強い運動やストレス
過度なストレスや急な体重変化、睡眠不足などでホルモンバランスが乱れると、少量の茶色いおりものが出ることがあります。
生活リズムを整えることで自然に改善するケースが多いです。
茶色のおりものの主な原因
おりものが茶色く見えるのは、微量の血液が混ざって酸化したためです。月経以外の出血は全て不正出血です。
その背景には、ホルモン変動だけでなく、炎症や感染、がんのリスクなど病気が関係しているケースもあります。
- ホルモンバランスの乱れ
ストレスや睡眠不足、ダイエットなどでホルモンが乱れると、排卵や月経が不安定になり、古い血液が少しずつ排出されることがあります。 - 子宮頸部の炎症(子宮頸炎)
クラミジアやトリコモナスなどの性感染症(STI)によって、子宮頸部が炎症を起こすと出血しやすくなり、茶色いおりものとして現れることがあります。性交時痛や異臭を伴う場合は、早めの受診が必要です。 - 子宮内膜症・子宮腺筋症
子宮内膜が子宮外にできる「子宮内膜症」や、筋層に入り込む「子宮腺筋症」では、月経以外の時期にも茶色いおりものが見られることがあります。生理痛の悪化や下腹部痛を伴う場合は、婦人科での検査をおすすめします。 - ポリープやがんなどの器質的疾患
子宮頸管ポリープや子宮頸がん、子宮体がんなどでも、少量出血=茶色いおりものが現れることがあります。性交時の出血や閉経後や長期間不正出血が続く場合は、早めの検査が重要です。
“いつもと違う”は病気のサインかもしれません。心当たりがある方は一度ご来院ください。
こんな「茶色いおりもの」はすぐに病院へ
次のような症状を伴う茶色いおりものは、正常な生理的変化ではなく、医療的な対応が必要な可能性があります。
🚨すぐに受診すべきサイン
- 出血が1週間以上続く
- お腹の痛み・腰痛・発熱を伴う
- 悪臭・黄色や緑っぽいおりものを伴う
- 性交時に痛みがある、または出血する
- 妊娠中に出血が続く、または鮮血が混じる
これらは、子宮頸がん・子宮頸炎・子宮内膜炎・感染症・流産リスクなどの初期症状であることもあります。
特に妊娠初期の場合、「着床出血」と「流産初期の出血」は非常に似ているため、自己判断せず婦人科を受診することが重要です。
受診時に伝えると良い情報
- 出血の期間と量
- 色の変化(ピンク・茶色・黒っぽいなど)
- 同時に起きている症状(腹痛・発熱・臭いなど)
- 妊娠の可能性や服薬の有無
“いつもと違う”は病気のサインかもしれません。心当たりがある方は一度ご来院ください。
おりものが茶色い場合の対処方法
茶色いおりものが出たときは、慌てずに「様子を見る」か「受診する」かを見極めることが大切です。
以下のポイントを参考にしましょう。
軽い症状なら自宅で経過観察
- 下着を清潔に保つ・通気性のよいものを使用する
- おりものシートを長時間つけっぱなしにしない
- 睡眠・食事・ストレス管理を意識する
- 生理周期を記録して、出血のパターンを把握する
症状が2~3日で落ち着く、臭いや痛みがない場合は一時的な変化のことが多いです。
受診が推奨される場合
- 出血が長引く/繰り返す
- 妊娠の可能性がある
- 発熱・下腹部痛・異臭を伴う
婦人科では、子宮がん検査・超音波検査・内診・感染症検査などを行い、原因を明らかにします。
特に妊娠初期の場合は、早めの診察が母体と胎児を守る最善策です。
茶色いおりものが妊娠初期に出ることについてのよくある質問
おりものに関するお悩みをQ&A形式(よくある質問FAQ)でご紹介します。

相談者👩
かゆみやにおいなどはないのですが、おりものが茶色っぽくなっていつもと違って不安です。
もしかして着床出血ということはありますか?妊娠の可能性もあるでしょうか?

ドクター🏥
茶褐色や茶色いおりものは、薄い少量の出血や生理痛のような軽い腹痛などの症状がある場合、妊娠初期の着床出血の可能性もあります。
着床出血は市販の妊娠検査薬で陰性確認できれば否定できるので、不安だったら検査で陰性確認してみてください。
だんだん赤色や茶褐色になっていくようであれば子宮頸がんの可能性もあります。不正出血や下腹部痛、性交時に出血があるなどの症状があったら要注意です。
婦人科検診を兼ねて婦人科を受診して相談してみてください。
ちなみに子宮頸がん検査は、異常が出たときに実施する精密検査(コルポスコピー)が対応していない医療機関もありますので、精密検査までフォローできる医療機関で子宮頸がん検査を受けることをおすすめします。
いざ精密検査が必要となったときに別の医療機関にかかるのは不安だったり手間でしょうから。当院では精密検査も含めてフォローが可能ですよ。

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留意点
様々なシチュエーションにより、様々な不安があるかと思います。 同じグループクリニックの【池袋クリニック無料医療相談掲示板(婦人科)】を引用し、同じようなお悩みやご不安を抱えている方の参考になれば幸いです。
池袋クリニック無料医療相談掲示板(婦人科)に記載されている内容は、診断・治療に置き代わるものではありませんので、この点を十分ご理解いただき、以下の事項ご確認のうえ、参考にしてください。
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