ピルの副作用・血栓症から安全にピル処方を受けるには?(問診・血圧測定・体重測定・血液検査の必要性)

ピルには避妊だけではなく多様なメリットがあります(生理不順や生理過多の改善、月経前症候群の緩和、生理痛の軽減、ニキビの改善、卵巣がんや子宮体がんの発症率低下など)。月経困難症や子宮内膜症などには保険適用もされます。もちろん、避妊に関しても女性が自分の体を守れる選択肢として、男性に委ねる必要がないという点でも積極的に使用しましょう。
女性特有の悩みに対して強い味方となるピルですが、多様なメリットがある反面、副作用のリスクやピルに向かない人などもいるため、しっかりと専門である婦人科に相談し、いつでも相談できるピルのかかりつけを持つことがとても大切です。

ピル処方を安全に受けるために必要なこと

ピル処方を受けるにあたり、ピル処方が問題ないかスクリーニングするために、問診・血圧測定・体重測定・血液検査があります。問診・血圧測定・体重測定は、日本産科婦人科学会発刊のOC・LEPガイドラインではピル処方にあたって必須検査とされています。

問診・体重測定の必要性

ピルを服用するにあたって、禁忌や慎重投与となるリスク、問題点を有していないか確認します(年齢や体重、生活習慣(喫煙など)、頭痛の有無、病気の合併など)。
体重測定は、年に1回チェックすることがOC・LEPガイドラインでは定められており、肥満だと血栓症リスクが上がってしまうことなどから、服用中止を考慮すべきものがないかチェックします。(日本産科婦人科学会発刊のOC・LEPガイドラインにも、服用中止を考慮すべき他覚所見・検査所見として、体重の急激な増加を挙げています。)

ピル

血圧測定の必要性

まず、元々血圧が高い人がピルを服用すると、血栓症発症の危険性が高くなります。また、現在は血圧に問題がなくても、服用継続していく中で血圧が高くなってしまうこともあります。ピルの副作用の中で怖いのは血栓症です。そのため、ピルのガイドラインでも処方する際の検査の必須項目となっており、安全にピルを服用継続できるように血圧のチェックは重要です。(日本産科婦人科学会発刊のOC・LEPガイドラインにも、服用中止を考慮すべき他覚所見・検査所見として、血圧の上昇を挙げています。)

ピル

血液検査の必要性

ガイドラインでは、任意検査として推奨されていますが、渋谷文化村通りレディスクリニックでは、より安全にピルを服用して頂くために、半年に1度、血液検査をお願いしています。
ピルもお薬なので、薬は肝臓で代謝されます。ピル服用により、肝臓に負担をかけていないかをチェックします。また、ホルモン剤使用により、コレステロール系に影響が出る可能性もあるため、そこもチェックします。(日本産科婦人科学会発刊のOC・LEPガイドラインにも、服用中止を考慮すべき他覚所見・検査所見として、肝機能や血中脂質の異常上昇を挙げています。)

ピル

血栓症のリスクは副作用としてよく聞くと思います。ただ、血症症のリスクはピル服用の人よりも、タバコを吸っている方や妊婦さんの方がはるかに高く、処方にあたりピルに精通した医療機関でしっかりとフォロー・チェックされていれば、それほど恐れるものではありません。
新しい生活様式の浸透により、通販やオンライン診療で手軽にピルが手に入るイメージもあるかもしれませんが、安全にピルとお付き合いしていくために必要なこととは何か、ピルをこれから始めたいと思っている方、現在ピル服用中の方も含めて参考にしてみてください。

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