副作用の血栓症リスクは?!妊娠しづらくならない?!ピル服用の現状【産婦人科専門医がピルの疑問に答えます】

投稿日:2020年9月24日|カテゴリ:女性の気になる病気・症状

ピル服用についての日本の現状を教えてください

日本の現状としては、ちょっと少し前のデータですが、2.9%と使用率が低いです。

ピル使用率

これは思春期レベルから40代出産可能年齢の女性の大体2.9%。ただ避妊としてのピルの割合なので、日本では月経困難症子宮内膜症などで治療として使う方達の割合は増えてますが、とはいえ、それでも4、5%というのが現状です。
欧米先進国はもう4割、もちろんその中に妊娠希望の人たちは飲まないので、今すぐ妊娠望んでないと人達のほとんどはピル使ってるっていう感覚でしょうね。
世界ではそれが当たり前で、日本はそれこそ何十年も前から変わっていません。それでもこの数年はだいぶ認知も徐々に増えてきていますけど、まだまだ今後もっと上げていくことで、避妊としても勿論女性には使ってほしいですし、男性に委ねたり依存するのではなく、妊娠は女性がする権利だと思ってますので、ピルを使うようになっていただきたいと思います。
子宮内膜症も、もちろんなってからでも治せますが、できればピルを飲んで予防するという感覚を持っていただけるといいのかなと思います。

ピルは血栓症リスクの話しをよく聞きます

血栓症は唯一と言ってもいいぐらい、細かく言ったらマイナートラブルありますけど、服用しない理由だったり唯一増えるデメリットとは言われてます。
色々と目にすることが多いので、ピルは血栓症のリスクが・・・副作用が・・・っていう方も多いんですが、これは数字でちゃんと見ると実はこのスライドに書いてあるように、まずタバコを吸ってる人、タバコを吸うということが、実は脳梗塞や心筋梗塞のリスクを上げますので、タバコを吸っている方がはるかにピルでなる血栓リスクよりも高いのです。

血栓症リスク

あと皆さん知らないのが妊婦さんなんですね。実は妊娠しているのはこの血栓リスクが非常に増えまして、特にその出産前後にかけて非常に高くなります。
なのでピルを服用してる人の何倍も血栓リスクが増えるんですが、自分が子供を産む時に脳梗塞や心筋梗塞になったらどうしようと思ってお産に臨む方はいないと思うんですよね。それよりもピルの血栓リスクははるかに少ない副作用なのに皆さんちょっと怖がってる。
リスクがまったくないとはもちろん言えないですけど、それを上回るメリットは遥かに多いという点で我々も勧めますし、是非そういったところは理解していただければと思います。
血栓症が少し怖いという方には海外には実はその黄体ホルモンだけ、その血栓症のリスクのないピルみたいのも実はあるんですね。日本もいずれ多分承認されると思うのでそういったものが出てくると、よりもっとそのピルを飲めない禁忌のある方とか、血栓症の既往のある方とか、ピルを服用できない人も多分服用できる選択肢がいずれ出てくると思いますので、ぜひそれを待っていただけると良いと思います。

ピルは妊娠しづらくなるのでは?という声も聞きます

外来の現場で、患者さんからの「妊娠しづらくなりませんか?」というご質問は多いですね。たぶん、避妊薬、妊娠をさせないというイメージが、逆に妊娠しにくくなるという、多分都市伝説的になってるのかなとも思います。
子宮内膜症、まさにあの女性側の不妊症の原因としての代表の病気も、ピルをちゃんと飲むことによってなりにくくなるし治療にもなります。
そういうことから考えると、逆にピルを飲み続けてくれてる方の方が、止めた時にはちゃんと妊娠もしやすい環境は多分維持できるんじゃないかなと思うので、そこはあまり気にしなくていいと思います。

 

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今回答えて頂いたのは理事長の村上先生です。

池袋クリニック

 

女性アスリートとの対談動画には、その他のピルについても対談されてますので、良かったら見てくださいね!