【血の塊が多いのは大丈夫?】生理中に出る原因と病気の可能性・受診の目安を医師が解説|渋谷文化村通りレディスクリニック

生理中に血の塊(血塊)が多く出ると、「これは異常なの?」「病気のサインなの?」 と不安に感じる方がとても多くいらっしゃいます。

実際、生理では 子宮内膜と血液が自然に固まって塊になることがあり、正常な場合も少なくありません。

 しかし、

  • 以前より血の塊が増えた
  • 大きな塊が何度も出る
  • 経血量が急に増えた
  • 生理痛や貧血症状を伴う

といった場合は、子宮筋腫・子宮腺筋症・内膜症などの婦人科疾患が隠れている可能性があります。

血の塊が増える理由は一つではなく、「正常の範囲なのか」「受診したほうがいいのか」を自分で判断するのは難しいものです。

 この記事では、

  • 血の塊が多い原因
  • 考えられる病気
  • 受診が必要な症状
  • 過多月経のセルフチェック
  • 治療方法
  • 来院のタイミング

を、医師監修のもと 丁寧でわかりやすく解説 します。

渋谷文化村通りレディスクリニックでは、 超音波検査やホルモン検査で原因をしっかり調べ、症状に合わせた治療をご提案しています。

「ちょっと心配…」「これって普通なの?」 そんな小さな疑問の段階でも構いません。

 あなたの不安が少しでも軽くなるよう、ぜひこの記事を参考にしてください。

血の塊が出るのは異常?

生理中に血の塊(血塊)が出ると、「大丈夫かな?」「病気では?」と不安に感じる方は少なくありません。

しかし、血の塊が出ること自体は、必ずしも異常ではありません。

経血には血液だけでなく、子宮内膜の組織も含まれており、経血の量が多い日や、生理の流れが一時的に滞ったときに自然と血が固まって塊状になることがあります。

ただし、以下のような場合は注意が必要です。

  • 500円玉〜ゴルフボール大の大きな塊が頻繁に出る
  • 生理の量が急に増えた、またはナプキンを1時間ごとに替えるほど多い
  • 強い生理痛や貧血を伴う
  • 塊が毎回の生理で大量に出る

これらが当てはまる場合、過多月経や子宮の病気が隠れている可能性があります。

「普段と違う」「不安」と感じた段階で、早めに受診することをおすすめします。

生理で血の塊が出る原因とは

血の塊が出る主な理由は以下の2つに分けられます。

① 生理の仕組みによる自然な現象(正常範囲)

経血が一時的に子宮内に溜まると、血液の凝固作用により「固まり」ができます。
特に量が多い日や動きが少ない時、寝起きなどは出やすい傾向があります。

② 過多月経や婦人科疾患によるもの(異常の可能性)

経血量が多い・生理痛が重い・貧血気味などの症状がある場合は、過多月経や婦人科の病気が原因のケースがあります。

以下で代表的な原因のひとつである「過多月経」について詳しく解説します。

過多月経とは

過多月経とは、生理の量が非常に多く、日常生活に支障が出るほどの状態を指します。

代表的な特徴:

  • ナプキンが1〜2時間でいっぱいになる
  • 血の塊が頻繁に出る
  • 生理期間が長引く
  • 貧血症状(動悸・息切れ・めまい)がある

明確な判断基準としては、

  • 1回の生理での総出血量が140ml以上と推定される場合
  • ナプキン・タンポンの吸収量が追いつかない場合

過多月経は放置すると 貧血の悪化、生活への支障、婦人科疾患の進行につながることもあるため早めの受診が重要です。

生理時に血の塊が出る病気5つ

生理中の血の塊は、正常な範囲で起きることもありますが、頻繁に出る・大きい・量が多いという場合、婦人科疾患が関係している可能性があります。

ここでは、血の塊を引き起こしやすい代表的な病気を5つに分けて解説します。

① 子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍(しゅよう) です。

大きさや位置によって、生理の量や血の塊の量が大きく変わります。

● 血の塊が出やすくなる理由

  • 子宮内膜の面積が広がり、出血量が増える
  • 子宮筋腫が内膜に接していると出血量が増えて塊が出やすくなる
  • 子宮が圧迫され、血液がたまりやすくなる

● よくある症状

  • 生理の量が非常に多い(ナプキンがすぐにいっぱいになる)
  • 生理痛が以前より強い
  • お腹の張り、圧迫感
  • 不正出血

筋腫は珍しい病気ではなく、多くの女性に見られますが、放置すると貧血や生活への支障が出ることがあるため、早めの受診が望まれます。

② 子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)

子宮腺筋症とは、子宮の筋肉の中に子宮内膜が入り込む病気です。

生理痛が強烈になり、経血量が増えるのが特徴です。

● 血の塊が出る理由

  • 子宮筋層が通常より厚くなるため、排出される経血量が増加
  • 強い収縮により血液が固まりやすくなる

● 主な症状

  • 生理痛が年々悪化する
  • 腰痛・下腹部痛
  • 経血量が多い
  • 性交痛

進行すると痛みが慢性化することも多く、生活の質が大きく低下するため早めの治療が大切です。

③ 子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)

子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるはずの内膜が、卵巣・腹膜など別の場所で増殖する病気です。

● 血の塊が出る理由

  • 内膜が子宮筋層内で増殖し、経血量が増える
  • 子宮の収縮異常により塊ができやすくなる

● 主な症状

  • 強い生理痛(鎮痛剤が効きにくいことも)
  • 生理以外の下腹部痛
  • 性交痛
  • 不妊の原因になることもある

進行性の病気であり、放置すると周囲の臓器と癒着が起きる場合もあるため、症状がある方は受診をおすすめします。

④ 子宮内膜ポリープ

子宮の内側(子宮内膜)に「ポリープ」と呼ばれる突起物ができる状態です。

良性であることがほとんどですが、症状に影響することがあります。

● 血の塊が出る理由

  • ポリープが経血の通り道をふさぎ、血が溜まりやすくなる
  • ポリープ自体が出血し、経血量が増える

● 主な症状

  • 生理の量が増える
  • 不正出血
  • 生理期間が長くなる

内膜ポリープは超音波検査で比較的発見しやすく、必要に応じて日帰り手術で摘出できます。

⑤ ホルモンバランスの乱れ

血の塊が出る原因の中でも、比較的多いのが女性ホルモンの乱れです。

● 起こる背景

  • ストレス
  • 急激な体重の変化
  • 睡眠不足
  • 過度なダイエット
  • 生活習慣の乱れ

これらが原因でホルモンのバランスが崩れると、子宮内膜が厚くなりすぎて経血量が増え、塊が出やすくなります。

● 主な症状

  • 経血量が増える
  • 生理周期が乱れる
  • イライラ・不安感
  • めまい・倦怠感

ホルモンバランスの乱れは治療可能で、ピルなどで月経量や周期を整えることができます。

病気の可能性があるかどうかの判断ポイント

以下のような場合は、何らかの病気が隠れている可能性が高くなります。

  • 血の塊が毎月大量に出る
  • 大きな塊(500円玉以上)が複数回出る
  • 生理痛が年々悪化している
  • 経血量が急に増えた
  • ナプキン交換が1〜2時間ごと
  • 貧血症状がある

ひとつでも当てはまる場合は、早めに婦人科を受診してください。

原因がわかれば適切な治療で改善できるケースがほとんどです。

生理中に血の塊が出たら病院に行くべき?受診が推奨される症状とタイミング

生理中に血の塊が出ること自体は珍しくありませんが、量・大きさ・頻度・伴う症状 によっては、診察が必要なケースがあります。

ここでは、どんなときに受診をすべきか、具体的な症状と理由を詳しく解説します。

① 大きな血の塊が毎月のように多量に出る場合

500円玉以上の大きな塊が何度も出る場合は、過多月経・子宮筋腫・子宮腺筋症などの病気が隠れている可能性があります。

● 要注意ポイント

  • 内膜が過剰に厚くなっている
  • 経血がうまく流れず溜まって固まっている
  • 出血量が多く、貧血を進行させる可能性がある

単発的に出るだけなら心配ないこともありますが、「毎月」「大量」 という場合は早めの受診が必要です。

② ナプキン交換が1〜2時間に1回必要なほど出血量が多い場合

これは典型的な 過多月経のサイン です。

● この状態が危険な理由

  • 出血量が多いほど血の塊も増える
  • 貧血が進む
  • 子宮筋腫・内膜症・ホルモン異常の可能性が高まる

夜用ナプキンでも漏れる、短時間でナプキンがいっぱいになる場合は受診をおすすめします。

③ 生理痛が以前より悪化している場合

生理痛が強くなるのは、単なる“体質”ではなく、子宮腺筋症・内膜症・筋腫などの病気の進行による痛みの可能性があります。

● 痛みが悪化している場合に考えられること

  • 子宮の収縮が強すぎる
  • 病変が広がり、炎症や出血が起きている
  • 経血がスムーズに排出できず塊になる

「鎮痛薬が効かない」「痛みで日常生活に支障がある」という場合は、必ず受診してください。

④ 貧血症状(ふらつき・動悸・息切れ・めまい)が出ている場合

血の塊が多い=出血量が多いということ。

その結果、鉄分が不足し貧血になることがあります。

● 放置すると危険な理由

  • 慢性疲労
  • 集中力低下
  • 動悸・息切れ
  • めまい・立ちくらみ
  • 日常生活の支障

貧血は治療が必要な状態であり、放置すると長期化することがあります。

⑤ 生理期間が長引く・生理周期が乱れている場合

生理がダラダラ続く、または周期が極端に乱れる場合は、ホルモンバランスの乱れ・排卵異常・子宮疾患が原因のことがあります。

● よくある原因

  • 子宮内膜が厚くなりすぎている
  • 排卵がうまく起こっていない
  • 内膜症・腺筋症による出血の長期化

生理不順が続くと血の塊も増えやすくなります。

⑥ 「今までと違う」生理の変化がある場合

もっとも重要なのは 「これまでの自分の生理と違うかどうか」 です。

● 変化の例

  • 今までより塊が増えた
  • 痛みが急に強くなった
  • 経血量が急に増えた
  • 生理が長くなった
  • 不正出血が増えた

こうした“異変”は、身体からの大切なサインです。

受診するとどんな検査をするの?

婦人科の検査は痛みの少ないものがほとんどです。

血の塊が出る原因は、次のような検査で明らかになります。

● 超音波検査(エコー)

  • 子宮筋腫、腺筋症、ポリープの有無
  • 子宮内膜の厚さ
  • 卵巣の状態

もっとも一般的で、痛みの少ない検査です。

● 血液検査

  • 貧血の状態(ヘモグロビン)
  • ホルモン値(排卵異常やホルモンバランスの確認)

貧血やホルモンの異常がすぐにわかります。

● 内診・内膜のチェック

必要に応じて、医師が子宮の状態を直接確認します。

数十秒〜数分で終わる検査です。

過多月経のセルフチェック

以下に1つでも当てはまる場合、過多月経の可能性があります。

  • ナプキンが1〜2時間で交換が必要
  • 夜用ナプキンでも漏れる
  • 血の塊が何度も出る
  • 生理期間が8日以上続く
  • 貧血症状がある
  • 生理の量が年々増えている
  • 生活や仕事に支障が出ている

「当てはまるものがあるけれど病院へ行くのが怖い…」 そう感じる方はとても多いですが、まずは状態を確認するだけでも大丈夫です。

過多月経の主な治療法

原因に応じて、次のような治療を行います。

① ホルモン療法(低用量ピルなど)
→月経量を減らし、生理痛を和らげる効果があります。

② 鉄剤の処方
→貧血がある場合に行います。

③ IUS(ミレーナ)
→子宮内にホルモンを放出する器具を入れる治療で、月経量が大きく減ることが期待できます。

④ 手術療法(筋腫摘出など)
→子宮筋腫など明確な原因がある場合には手術を選択することもあります。

治療は症状やライフスタイルに合わせて選ぶことができますので、 「いきなり治療が始まる」という心配は不要です。

まとめ:まずはどんなに小さな悩みでも受診しに来てください。

生理中の血の塊は珍しいことではありませんが、「量が多い」「頻繁に出る」「痛みや貧血がある」場合には、 婦人科疾患のサインである可能性があります。

渋谷文化村通りレディスクリニックでは、超音波検査やホルモン検査で原因を丁寧に調べ、症状に合った治療をご提案しています。

どんな小さな症状でも構いません。「相談したい」「話を聞いてほしい」そんな気持ちで受診される方も多くいらっしゃいます。

ひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。

生理の血の塊に関するよくある質問

血の塊が出るのは普通ですか?

はい。生理の仕組み上、少量の塊が出るのは正常なことがあります。ただし量が多い・頻繁に出る場合は受診をおすすめします。

血の塊が大きいのですが大丈夫でしょうか?

500円玉以上の大きさが何度も出る場合、過多月経や子宮の病気の可能性があります。

市販薬で様子を見ても大丈夫?

痛み止めで一時的に楽になることはありますが、血の塊が続く場合は根本の原因を調べる必要があります。

病院ではどんな検査をしますか?

超音波検査・血液検査・ホルモン検査など、痛みの少ない検査で原因を確認します。

ピルで改善できますか?

はい。低用量ピルは月経量を減らし、痛みの改善にも効果があります。

症状に応じて最適な治療をご提案します。