性行為後にかゆい…生でやったあと痒くなるのはなぜ?原因・対処法・受診目安を医師が解説

性行為のあとに「かゆい」「ヒリヒリする」「外陰部が腫れた気がする」と感じる女性は少なくありません。

一時的な摩擦による刺激で起こる場合もありますが、カンジダ炎や細菌性炎、性感染症(STI)などが関係していることもあります。

特に「生でやったあと痒くなる」「エッチのあと毎回かゆみが出る」など、症状が繰り返すときは感染症や内環境の乱れのサインかもしれません。

この記事では、

「性行為後のかゆみの原因」

「生でやったあと痒くなるのはなぜ?」

「どんな場合に病院へ行くべきか」

を、医師監修のもとで医学的根拠に基づきわかりやすく解説します。

安心して自分の身体と向き合うための一歩としてご覧ください。

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【症状別】セックス(性行為)後考えられる主な原因

性行為後に「かゆい」「ヒリヒリする」「腫れている」などの違和感を感じる女性は多くいます。

これは一時的な摩擦や刺激によるものから、感染症やホルモンバランスの乱れなどの疾患まで、原因はさまざまです。

ここでは症状別に、考えられる代表的な原因を紹介します。

女性器周辺や外陰部の「かゆみ」の原因の可能性として

性行為後のかゆみは、多くの場合「摩擦」か「感染」によるものです。

1. や外陰部の乾燥・摩擦
性交時に十分な潤滑が得られないと、摩擦で粘膜が刺激を受け、一時的なかゆみ・ヒリつきを感じることがあります。

特に更年期・授乳中・ピル服用中は、ホルモン低下でが乾燥しやすくなります。

2. カンジダ
「白いおりもの」「強いかゆみ」「ヒリヒリ感」がある場合、カンジダ炎(真菌感染)の可能性があります。ストレスや疲れ、免疫低下、生理後などにも発症しやすい疾患です。

3. トリコモナス
性行為を通じて感染する性感染症(STI)でも、や外陰部にかゆみを感じることがあります。おりものの色や臭いの変化、痛みを伴う場合は早めに検査が必要です。

女性器周辺や外陰部の「はれ」の原因の可能性として

性行為後に「腫れぼったい」「むくんでいる」感じがある場合、

次のような原因が考えられます。

1. 摩擦や刺激による一時的な炎症
強い刺激や長時間の性行為によって、外陰部の血流が一時的に増し、腫れや軽い痛みが出ることがあります。通常は12日で自然に落ち着きます。長引く場合はステロイド外用剤などを使用して治療が必要です。

2. バルトリン腺炎
の入り口の左右にある「バルトリン腺」に細菌が入り、炎症を起こすと腫れ・熱感・痛みが出ます。繰り返す場合や痛みが強い場合は、婦人科での処置が必要です。

3. アレルギー反応
コンドームや潤滑ゼリー、避妊用クリームなどの成分が合わず、接触性皮膚炎を起こして腫れることもあります。使用製品を見直すことが大切です。

女性器周辺や外陰部の「痛み」の原因の可能性として

性行為後に痛みを感じる場合、粘膜の損傷や感染症、筋肉の緊張などが原因です。

1. や外陰部の小さな傷
摩擦でできた小さな傷が原因で、ヒリヒリするような痛みが出ることがあります。
清潔を保ち、下着の締め付けを避けて安静にしましょう。

2. 炎・外陰炎
感染による炎症では、かゆみ+痛み+おりものの変化が同時に現れます。自己判断で市販薬を使用する前に、婦人科での検査が推奨されます。

3. 子宮内膜症や性交痛症候群
骨盤内部の炎症や筋緊張によって性交時に痛みを感じることがあります。挿入自身が困難な場合は処女膜強靭症との鑑別や心理的なストレスやトラウマが関係することもあり、心身両面のケアが必要なケースもあります。

性交後に起こりやすい3大症状

性行為後に起こる症状の中でも特に多いのが、

「かゆみ」「おりものの変化」「におい」の3つです。

これらは一時的なこともありますが、感染症や内環境の乱れが関係している場合もあります。

性行為後のおりもの・かゆみ・においで受診が必要なケース

以下のような症状が見られる場合は、婦人科の受診をおすすめします。

  • かゆみが3日以上続く

  • おりものが白くポロポロ/黄色や緑色に変化

  • 酸っぱい・魚のようなにおいがある

  • 性行為のたびに症状が再発する

  • 排尿時や性交時に痛みを感じる

これらはカンジダ炎、細菌性炎、クラミジア感染症などの可能性があり、

放置すると慢性化・不妊の原因になることもあります。

性器のかゆみを引き起こす主な病気

代表的なものは、性感染症(STD)です。その他、一般的にかぶれと呼ばれる接触性皮膚炎やカンジダ腟炎、トリコモナス腟炎、毛ジラミ症などが性器や性器周辺のかゆみの原因となります。

  • カンジダ性炎(外陰カンジダ症)、カンジダ症

    主に過労や妊娠などによって体力や抵抗力が落ちたときに、腟に棲んでいるカンジダ菌が異常に増殖して起こります。性器が赤く腫れあがり、強いかゆみを感じ、チーズや酒かすのような白いおりものが出ることが特徴です。

  • トリコモナス症
    主に性交渉によって感染しますが、岩盤浴やジャグジーなどを介して感染することもあります。感染すると、まずおりものの量が増えて性器に激しいかゆみを感じます。そのうち、泡立った臭いのきついおりものが出るようになります。

  • 性器クラミジア感染症
    クラミジアという細菌による性感染症で、女性の性感染症では最も多い疾患です。自覚症状はほとんどなく、おりものが多少増えたり、下腹部に軽い痛みがある程度です。しかし水面下で着実に進行し、放置しておくと不妊の原因になることもあります。

  • 淋菌感染症
    淋菌という細菌による性感染症です。女性は顕著な症状があらわれることが少なく、感染から数日後に外陰部のかゆみやおりものの増加が起こる程度なので、感染に気付かず慢性化することがあります。また、妊婦が感染すると、新生児の結膜炎を招き、最悪は失明の危険もあります。

  • 性器ヘルペス
    性行為などによる単純ヘルペスウイルスの感染によって起こります。感染すると、感染するきっかけとなった性交渉から1週間以内に性器にむずがゆさがあらわれます。その後、痛みとともに外陰部に小さな水ぶくれが生じます。この水ぶくれが破裂すると激しい痛みを感じ、そのために排尿や歩行が困難になることもあります。過労やストレス、性行為などが引き金となって再発することが多く、8割の人が1年以内に再発するともいわれています。

  • 接触性皮膚炎(かぶれ)
    主に薬品や化粧品、衣類などに触れた刺激によって皮膚がかぶれ、かゆくなります。性器のかゆみの原因としては石鹸や下着の刺激、生理用品などが考えられます。

  • いんきんたむし(股部白癬・こぶはくせん)
    股にカビの一種の白癬菌がつくことで感染します。多くは弓状の赤い隆起ができ、激しいかゆみをともないます。

  • 毛ジラミ症
    毛ジラミが陰毛に寄生すると、かかずにいられないほどの激しいかゆみがあらわれます。毛と毛が接触するだけで感染するので、性交渉によって簡単に感染します。他にもプール、サウナ、温泉や毛ジラミに感染している人と衣類や寝具を共有することでも感染する可能性があります。

デリケートゾーン(陰部)のかゆみセルフチェックや対処法は?

軽度のかゆみであれば、次のようなセルフケアを行うことで改善することがあります。

セルフチェックポイント

  • 症状が出るタイミング(性行為後・生理前後など)

  • かゆみの強さ・範囲・持続時間

  • おりものやにおいの変化の有無

  • 新しい避妊具や石けん、下着を使い始めたかどうか

セルフケア方法

  • デリケートゾーン専用の低刺激ソープを使用

  • ナイロン素材ではなく通気性のよい綿下着を着用

  • 性行為後は清潔にし、しっかり洗い流す

  • 症状が続く場合は市販薬に頼らず婦人科へ

自己判断での薬の使用は、原因が異なる場合に悪化を招くことがあります。

特に繰り返す場合は、医師による検査で「原因の特定」を行うことが大切です。

セックス(性行為)後にかゆみが出たら病院へ行くべき?

軽い刺激による一時的なかゆみであれば数日でおさまりますが、次のような場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

  • かゆみや腫れが1週間以上続く

  • 性行為のたびに同じ症状が出る

  • 強い痛み・出血・おりもの異常を伴う

  • パートナーもかゆみや痛みを感じている

当院では、内診・おりもの検査・性感染症検査などで原因を調べ、抗菌薬・抗真菌薬・ホルモン療法などを症状に合わせて行います。

当院では女医による丁寧な診察で患者様一人ひとりに向き合ってご対応致しますので、出血についてのお悩みがございましたらいつでもご来院ください。

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