「ピルを飲みたいけれど、喫煙しているから不安…」
「40代でも安全に避妊できる方法はある?」
そんな方に注目されているのが、エストロゲンを含まない「ミニピル」です。
ミニピルは、プロゲステロンのみを含む経口避妊薬で、血栓症リスクが低く、喫煙者・授乳中・40歳以上の方でも服用可能とされています。
日本でも近年国内で「スリンダ錠」が承認され、東京を中心に多くの婦人科で処方が始まっています。
また、月経痛・PMSの軽減や子宮内膜症の治療補助としての効果も注目されています。
この記事では、
「ミニピルの特徴と避妊効果」
「保険適用の可否」
「東京での処方方法」
を医師監修のもとで詳しく解説します。
避妊やホルモンバランスに不安を感じている方は、自己判断せず婦人科で相談しましょう。
目次
ミニピルとは
ミニピルとは、プロゲステロン(黄体ホルモン)のみを含む避妊薬で、エストロゲンを含まない点が特徴です。
通常の低用量ピル(OC/LEP製剤)はエストロゲンとプロゲステロンの合剤ですが、ミニピルはエストロゲンを使用しないため、血栓症リスクが低く、喫煙者や40歳以上の女性でも使用できる場合があります。
当院では、平成26年に報道されたヤーズ配合錠の血栓症事例をきっかけに、40代女性へのピル処方基準が厳しくなる中で、「避妊を必要とする女性が安全に自分の体を守れる方法」を模索してきました。
その結果、世界的には一般的である黄体ホルモン単剤「ミニピル」に着目し、平成27年5月より処方を開始しています。
ミニピルの効果・メリット
ミニピルは、主に排卵を抑制し、精子の侵入や受精卵の着床を防ぐことで避妊効果を発揮します。
子宮内膜を薄く保ち、頸管粘液(子宮頸部の分泌液)を変化させることで、精子が子宮内に入りにくい環境をつくります。
また、ホルモンの変動を安定させるため、生理周期や月経痛の改善も期待できます。
正しく服用した場合、WHO(世界保健機関)の報告によると避妊成功率は約99%とされ、低用量ピルと同等の高い避妊効果があることが確認されています。
ただし、ミニピルは服用時間がずれるとホルモン濃度が下がり、効果が低下するため、「毎日決まった時間に1錠飲む」ことが非常に重要です。
ミニピルの主なメリット
① 血栓症リスクが低い(エストロゲン非配合のため)
一般的な低用量ピル(OC/LEP)は、エストロゲンを含むため血栓症のリスクがわずかに上昇します。
一方で、ミニピルはエストロゲンを含まないため、血栓症のリスクが低く、高血圧・肥満・喫煙者・40歳以上の女性でも使用できる場合があります。
この特徴から、「ピルは年齢的に不安」「喫煙しているから避けていた」という方にも安心して選ばれています。
② 喫煙者や授乳中でも服用可能
エストロゲンが含まれないため、喫煙者や授乳中の方でも使用できる点が大きな特徴です。
とくに授乳中は母乳への影響が少なく、世界保健機関(WHO)でも安全性が確認されています。
また、喫煙者でも血栓症リスクが上がりにくいため、ライフスタイルに合わせて継続しやすいというメリットがあります。
③ 生理痛やPMSの緩和が期待できる
排卵を抑え(ピルよりは抑制できない)、子宮内膜を薄く保つことで、月経痛(生理痛)の原因となるプロスタグランジンの分泌を抑制します。
これにより、生理痛が軽くなるほか、PMS(月経前症候群)のイライラ・頭痛・情緒不安定などの改善も期待できます。
④ 月経周期が安定しやすい
服用を続けることでホルモンバランスが一定に保たれ、月経周期が安定しやすくなります。
また、子宮内膜が薄く保たれるため、月経時の出血量が少なくなる傾向があります。
これにより、貧血やだるさの改善につながるケースも見られます。
⑤ 妊娠・中絶リスクの軽減
年齢や体質により従来のピルが使いにくい方でも、ミニピルを取り入れることで安全かつ確実な避妊が可能になります。
当院では、40代以降の方の人工妊娠中絶リスクを減らす目的でも、ミニピルを積極的に導入しています。
ミニピルの正しい飲み方
ミニピルは、生理の始まった日から1日1錠を毎日同じ時間に服用します。
ミニピルは、毎日同じ時刻に確実に服用することが重要です。
3時間以上ずれると、ミニピルの効果が失われてしまい、避妊していない時と同じように妊娠する可能性があります。
また、不正出血の原因にもなるため、アラームを利用するなどして、正確な時間管理を行うようにしましょう。
ミニピルは、避妊を継続したい期間はずっと飲み続ける必要があります。必ず、医師の指示に従って服用するようにしてください。
当院で取り扱うミニピル
| 薬剤名 | 特徴 | 服用方法 |
| セラゼッタ | ・休薬期間をとらず毎日服用 ・1シートを終えたら次のシートの服用を開始する ・服用中は月経のもとである子宮の内膜が薄く保たれるため、毎月の定期的な出血はなくなる | 1シートを終えたら次のシートを連続服用。出血が少ない、または止まることも。 |
| スリンダ錠 | ・24日間実薬を服用し続けて4日間偽薬を服用(合計28日分で1シート) ・1シートを終えたら次のシートの服用を開始する ・出血は偽薬(休薬)期間中に起こりますが、 出血量は少なくなるか、出ないこともある | 偽薬期間中に少量の出血が起こるが、出血量は少なめ。 |
⚠️ 飲み忘れ・下痢・嘔吐などがあるとホルモン吸収が不十分となり、妊娠の可能性が高まります。
避妊を継続する場合は、医師の指示に従い継続的に服用してください。
ミニピルの副作用・注意点
ミニピルは安全性の高い薬剤ですが、体質によっては一時的に以下の症状が現れることがあります。
よくある副作用
- 不正出血
- 乳房の張りや痛み
- 軽い頭痛・気分変動
- 吐き気、むくみ
これらは体がホルモン変化に慣れる過程で起こることが多く、数ヶ月で軽快する場合がほとんどです。
注意が必要な方
下記に当てはまる方は、医師の判断でミニピルが適応となる場合があります。
- 喫煙者(35歳以上で1日15本以上)
- 高血圧症・肥満(BMI30以上)
- 前兆を伴う片頭痛
血栓症既往またはリスクが高い方
- 心疾患(心臓弁膜症など)
- 40歳以上
ミニピルと低用量ピルの違い
| 比較項目 | ミニピル | 低用量ピル(OC/LEP) |
| 主成分 | プロゲステロン単剤 | エストロゲン+プロゲステロン |
| 血栓リスク | 低い | やや高い |
| 喫煙者の服用 | 可能 | 原則不可(特に35歳以上) |
| 授乳中の服用 | 可能 | 不可 |
| 生理周期 | 不規則になることも | 安定しやすい |
| 保険適用 | 原則自費(避妊目的) | 月経困難症など治療目的で適用可 |
避妊効果はどちらも約99%と高いですが、安全性を優先するならミニピル、周期の安定を重視するならLEP製剤が向いています。
ライフステージや持病に応じて医師が適切な薬剤を提案します。
ミニピルの料金表
| 薬剤名 | 料金(税込) | 備考 |
| セラゼッタ | 3,400円/月 | 保険適用外 |
| スリンダ錠 | 3,600円/月 | 保険適用外 |
| 初回相談料・処置料 | 3,200円 | 初回のみ |
避妊目的のため、自費診療(保険適用外)となります。
ミニピルを導入した背景
平成26年初旬より、ヤーズ配合錠の血栓死亡例報道を受けて、各医療機関でOC/LEP製剤の処方基準が厳しくなりました。
【OC】 Oral Contraceptive
一般的にピルまたは低用量ピルといわれ、平成11年9月より日本でも認可された経口避妊薬です。
【LEP】 Low dose estrogen progestin
低用量(EE0.02~0.04mg)の卵胞ホルモンと 黄体ホルモンの両者が含まれる合剤です。(ルナベル配合錠LD、ルナベル配合錠ULD、ヤーズ配合錠、等)
当院では、慎重に適応を見極め、ある程度リスクがあると思われる40歳代にも積極的に処方を続けておりましたが、定期的な検診も含めてチェックをしていた事もあり、幸い死亡例等の重大な副作用は出ておりません。
でもそれはたまたま運が良かっただけなのかもしれません。
ただ、各医療機関で機械的に40歳以上の方には処方をしないなど、過度の対応や規制をする施設が相次ぎ、その結果当院において40歳代のピル服用既往のある方が自分の体を守る事が出来ず、人工妊娠中絶手術を受けるという症例が数例続く事になりました。
確かに40歳代の方にOC/LEP製剤を処方する事は慎重にしなければなりませんが、避妊が必要な方が結局男性に委ねるしかない選択は避けなければなりません。
そこで当院では世界では当たり前の様に処方されている黄体ホルモン単剤(ミニピル)に着目し平成27年5月より処方を開始しました。
現在、OC/LEPが処方出来ない方の避妊方法として国内では子宮内に避妊具を入れる子宮内避妊システム(IUS)ミレーナがありますが、それと並行してミニピルの選択肢が増える事は日本の女性にとって安心材料が増える事となり、より多くの望まない妊娠を防ぐ事が出来ると考えております。
又ピルと同等に子宮内膜症への治療効果や子宮体癌の予防効果も期待出来ると考えております。
お問い合わせ(渋谷文化村通りレディスクリニック)
ミニピルの処方・切り替えをご希望の方は、
渋谷文化村通りレディスクリニック公式サイト
にご来院くださいませ。
当院では、
- セラゼッタ・スリンダ錠の処方
- オンライン診療対応
- 喫煙者・40歳以上の方の服用相談
など、患者様一人ひとりの体質・生活習慣に合わせた処方を行っています。
ミニピルのよくあるご質問
Q1. ミニピルはいつから効果がありますか?
A. 正しく服用すれば、服用開始から48時間後に避妊効果が発揮されます。初期は1週間ほど他の避妊法を併用してください。
Q2. 飲み忘れた場合は?
A. 気づいた時点で1錠服用し、次回は通常通り服用します。24時間以上空くと効果が下がるため、避妊を併用してください。
Q3. 喫煙していても大丈夫?
A. エストロゲンを含まないため、喫煙者でも服用できる場合があります。ただし年齢・健康状態により医師の判断が必要です。
Q4. ミニピルは生理を止める薬ですか?
A. 月経を止めるわけではなく、子宮内膜を薄く保つため出血量が少なくなることがあります。
Q5. どのくらいの期間飲み続けられますか?
A. 避妊を希望する期間中は継続服用が可能です。定期的に婦人科で検診を受けながら服用を続けましょう。
